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[73]
大屋根を開ければ黒い蝶になるシュヴァルツヴァルトの木のピアノらし
返信
ピアノの大屋根を開けた姿は、よく黒い揚羽蝶に喩えられます。
なんて美しい形容だろうと思い、詠んだ短歌ですが、どうでしょう。↑
でもでも、うちの住宅事情では、なかなか大屋根を開けて弾くことはないです。
開けたからって、特別、音量が変わるわけでもないんですけど、
拡散し、はね返り、なんだか昔流行ったマジックボールでしたっけ、
あんな感じに音が跳びまくります。
アパートの天井の低い四角い部屋では、なかなか耳によろしくありません。
しかも、黒い蝶々を観るためには、
そうねぇ、少なくとも10メートルは離れた方がよさそうです。
小さい子どもとグランドピアノの大きさの関係は、
大人と10トントラックの関係と同率だとか。
トラックのボンネットを鍵盤にみたてて、
その前に足の長~い椅子を置いて、
脚をぶらぶら宙に浮かせて座って、弾いている、
という状態は、大人でも怖くてツライかもですね。
トラックの荷台なんかは見えやしないし、
どんなカタチをしているのか、何が積まれているのか、
全然解らないはずです。
子どもはなんて無理なことを強いられているのでしょう。
大屋根を開けて、ピアノ室の一番端っこに立って、
ほら蝶々に見えない?って聞いてみます。
わたしのピアノ室ではなかなか、そうは見えにくいようですが、
子どもってサービス精神が旺盛なのか、
一生懸命、蝶の姿を思い描いて、照らし合わせて、
あ、見えた見えた!って言ってくれるものです。
久しぶりに大屋根を開放したときには、ピアノの中身を覗いてみます。
艶々とした響板、鋼鉄のフレーム、柔らかいフェルト、
鉱物、植物、動物と、地球上の全てのモノが揃っています。
長く太い弦から短く細い弦までの、うっとりするような直線と曲線。
数学的な美を感じます。
楽器ってどうしてこんなに美しい形なんだろうねぇ。
できるだけ、わたしたちも美しい音を出さなくちゃねぇ、、
がんばろうね、磨こうね。
そんな話をしたとき、エンジニアの父上を持つ少年が、
「良い機械は美しい形をしているものだって、父さんが言ってた」
と、話してくれたことがありました。
この子は、わたしがこの子の母上にお薦めした森博嗣のミステリを
読みふけっているらしいですけど、
ピアノも弾いていてくれるかしら、そこんところが、
ちょと気に掛かかる、春の夜であります。
MIZZO
04.15 (Sat) 03:01
[63]
ゆるやかな理想
返信
昨日、元生徒のH君が、志望の大学に合格したという知らせを持ってきてくれました。3歳から中学受験までお教えしていた子です。久しく見ないうちに、背は伸びて、頬もお腹もすっきりとして、大きな山を乗り越えた自信にあふれる、なかなかの精悍なハンサム君に成長していました。
大学に入学したらピアノサークルに入ろうか、オーケストラに入ろうか、オーケストラだったら何の楽器を選ぼうかと、あーだこーだと、話は盛り上がりました。
そうなんです、音楽大学ではないんです。
その彼の場合ではありませんが、音楽科の受験を相談されると、わたしはきまって、否定的な意見を述べます。どうしてもどうしても、なにがなんでも音楽で生きていきたい、暮らしの安定などはどうでもいい、とにかく音楽を深く追求したい、そういう頑固なほどの意志と明らかな才能のほとばしりが見える子以外には、ですけどね。
もしかして世界級を目指せるかも知れない子か、もう全教科ダメダメで、音楽しかない子は音楽専攻がいいと思います。でも、ほかに才能があったり、成りたい職業があったり、普通にお勉強ができるのなら、真っ当な道を歩む方がいいのではないかというのが、わたしのピアノ教師としての、また近しい大人の一人としての意見なのです。
ピアノの弾けるお医者さん、ピアノの弾ける弁護士さん、カッコいいじゃないですか。ピアノの弾けるサラリーマン、ピアノの弾ける美容師さん、そして、ピアノの弾けるママやパパ、お祖父さんお祖母さん、粋で豊かですよね!
受験勉強の合間に気分転換で好きな曲を弾けるほうが、受験のために機械のようにエチュードをさらうより素敵じゃないかしら。音楽って、そんなことのために存在するのだと思うのです。
さて、志望大学に見事合格したH君ですが、彼はわたしの手を放れた後、彼のお母さまが主宰するピアノ教室で、ぼちぼちとレッスンを続けていたそうです。月に二回くらい、好きな曲だけ、みたいなレッスンだったようです。まだ難曲といわれるようなものは弾けないようですけど、高校の音楽の先生にも、H君は綺麗な音だねってよく褒めらていたとか。
知らないところでわたしのゆるやかな理想の蕾が膨らんでいたことを知り、とても幸せなひと時でした。
MIZZO
03.11 (Sat) 18:41
[46]
「音楽と私」バトン
返信
今年はネット上でバトン(マルチ商法みたいに同じ質問を何人かのネッ友に渡すゲーム)というのが流行って、始めはなんでしたか、本かCDだったか、、その後、色んなバトンを見かけて、そのうち、どのバトンがどうだったかというバトンバトンというのが出てきて笑ったことでした。さて年も暮れて、そろそろ見かけなくなったなぁと思ってましたら、今度は、「○○と私」 というものを渡されました。わたしへは「音楽と私」のお題だそうです。他所で書いたものですが、ピアノ繋がりなのでこちらにも置いときます。
+++++++++++++++++++++++++++++
Q1.パソコンまたは本棚に入っている「音楽」は?
主にクラシックとロックです。
クラシックは400年分、割に手広く聴き、毎日ピアノで400年の旅をしています。広く浅いのでちっとも上手くはなりませんし、専門と呼べる域もありませんが、これ以上の幸せな時間はありません。
ロックは聴くのみで、結局は青春期の70年代前後モノです。
Q2.今妄想している「音楽」は?
今日TVで、昨年の最後のとかいうゴジラを観まして、伊福部&エマーソンのゴジラが脳内音楽で鳴り続けています。トリビュートしか持ってないので、サントラ買ってきます。これは聴かねば。。
Q3.最初に出会った「音楽」は?
そりゃ、子守歌でしょう。
母のソプラノは暖かでした。「五木の子守歌」や、ブラームスやシューベルトの「子守歌」「野ばら」。家の中でかかっていた音楽の一番古い記憶は「チゴイネルワイゼン」と三大ヴァイオリンソナタ。「ボタンとリボン」とか「トムドゥーリー」とか。サッチモ、グレンミラー、アートブレイキー、カーメンキャバレロとか。
Q4.特別な思い入れのある「音楽」は?
拘って集めているのはディエスイレ(レクイエムの中の「怒りの日」)に使われる「死の旋律」とか「悪魔の旋律」と呼ばれるメロディを宿した音楽です。残っているのはグレゴリウス聖歌(11世紀)あたりが一番古そうですが、それ以前からあったようです。短歌でいうところの枕詞みたいなもので、「ぬばたま」といえば黒=闇を思い浮かべるように、このメロディを聴くと、すわ!「死」を思い浮かべ、天国よりは地獄を思い、世界の終末を恐怖する、コワイコワイ曲を創るときに欠かせないアイテムになっております。
有名なところでは、ベルリオーズ「幻想交響曲」、リスト及びサンサーンス「 死の舞踏」、ムソルグスキー「禿山の一夜」「展覧会の絵」、マーラー「嘆きの歌」、ラフマニノフは 「鐘」「死の島」ほか散々沢山書いてくれています。ショパンは「葬送行進曲」。「雨だれ」も相当変えられてはいますが、わたしは、そうではないかと思って震えながら弾きます。あとチャイコフスキーや誰や彼やいっぱい。伊福部の「ゴジラ」も、ゆえにエマーソンも。それからジミヘン「紫のけむり」もです。
例えば「ぬばたま」が「烏玉」「烏珠」と書かれたり、「うばたま」「むばたま」と呼び変えられたりするそれ以上に「ヴァマタヌ」みたいにかなり変形されて、使われているのを見つけ、コレクションしたり聴きに行くのが好きです。
Q5.最後にバトンを回したい5人とそれぞれのお題は?
お題は「ピアノと私」で、書いてくださる方がありましたらお願いします。ここへでも、他所でもどうぞ。他所の場合はお知らせいただけると嬉しいです。
+++++++++++++++++++++++++++++
一年間ありがとうございました。
設置しては消え、また設置しては消えの波瀾万丈なアラベスク掲示板ですが、来年もよろしくお願いします。どうぞよいお年を。
MIZZO
12.31 (Sat) 00:18
[41]
ピアノをはじめる適期って
返信
一昨年でしたか、他県の2才半のお子さんのお母さまから「土日に泊まりがけで習いに行きたい」というお問い合わせをいただいて、大あわてでお断りしました。そこまでリキ入れて通って頂いても、とてもご期待に添えることはないと思いましたのです。そして、昨日、「1歳児の子どもではまだ早いでしょうか?」というお問い合わせを頂きました。最年少記録更新です(^^;;
わたしは、文字や数字に興味を示し始めた頃から後が適期と考えています。そして年齢にかかわらず、子どもさんご自身が、「ピアノを習いたい」と、言い出した時が最適期だと確信しています。それまでの間、お母さま自身がピアノを弾く歌う、できるなら習いに行かれることをお薦めしています。ピアノを弾くお母さまをお持ちということで、環境は万全に近いのではないでしょうか。
しかし、現実的には難しい場合が多いでしょうね。そして、言い出してくれるまで放って置くのも気の揉めることでしょう。勿論、そのお気持ちはわかっているつもりです。
お母さまがどうしても待ちきれない場合、また、音楽的環境を少しでも良くしてあげたい場合には、わたしは乳幼児のためのバレエやダンス教室をお薦めしています。
乳幼児のための音楽教室やリトミックなどもありますけどね。肝心の先生のリズム感が悪かったり、妙な競争意識が芽生えたりすることがあるようです。また、はっきり成果が分かることを評価する親御さんへの媚びのように、弱く小さな指にフォームも何もお構いなしに無理やり弾かせたり、楽譜の読み書きを詰め込んだりするのには、わたしは大反対です。その点で、バレエやダンス教室なら安心です。音楽性の低いピアニストは多いですけど、リズム感の悪いダンサーって少ないと思いますから。
良い音楽教室も勿論あるはずです。待ちきれないお母さま方は、いっぱいリサーチして探し出してください。見学させていただけば一目瞭然です。声や躰の動きが美しく、リズム感のよい先生、優しい笑顔の暖かい先生がいいですね。きっとレッスン生の子供達もイキイキにこにこ楽しんでいることでしょう。わたしもそのようなキャラでしたら是非、乳幼児のための音楽教室をやってみたいものですが、残念ながら適性に欠けているようです。
そもそも、ピアノ(音楽)の早期教育が叫ばれるようになったのは、まだまだ平均的日本人の生活環境に、音楽がさほど溶け込んでいなかった時代のことです。音楽的環境も整わないのに、子どもに大きな期待をかけても、それは思うようにはいかなかったでしょう。ならば、少しでも早くピアノに触れさせようと考えられたのは自然な帰結でありましょう。
しかし、今の親世代で、コンサートに足を運んだことのない人は希少でしょうし、お家の中に音楽は溢れていることが多いのではないでしょうか。
プレ幼稚園や幼稚園、保育園でも、ふた昔前とは違い、とても上手なピアノが聴かれるようです。音楽環境としてはこれらで充分のように思います。しいていえば、足りないのはクラシック音楽そのものくらいでしょう。
ピアノを習う目標として、「クラシックを弾けるようになりたい」というのがどれくらいの割合を占めるのか、疑問に思っています。何か楽器が弾けて、我が手で音楽を奏でることを目標とする人が多いのではないでしょうか。それならば時間さえかけられれば何歳から始めても大丈夫です。
子どもさんの場合は、ピアノの基本的な技術と情操を育て、後に子どもさん自身が好きなジャンルを選べれば良いとお考えの親御さんが多いように受け止めていますが、どうでしょう。
それでもいつから始めるか?というのは大問題ですね。世界の舞台で活躍するピアニストから、わたしのような町の先生に至るまで、やはり3才から7才までには手ほどきを受けた人がほとんどかと思います。
しかしその数以上の人々が、大きな挫折感を抱いてしまったり、ピアノ嫌い音楽嫌いになっているのです。始めた年齢が低ければ低いほど、その確率は高くなると思われます。
なにがなんでも我が子をクラシックの世界的ピアニストに!ってお考えの親御さんがそう沢山いらっしゃるわけでもないでしょう。なぜ早くに始めなければならないかといいますと、環境的要因とともに、クラシックを勉強する学校に入るのに間に合わないから、ということがあります。
国内の音大や音高の入試までに、間に合わせなければならない技術は、10年前後の時間を要しますから、逆算すると、どうしてもシングルエイジのうちに始めねばならないわけですね。
親がそこまでのレールを敷いてしまうのも、他人の目からは異様に映るものです。心と人生を豊かにするための音楽を身につけてあげたいのなら、子どもさんが「ピアノ習いたいよぉ」っておっしゃるまで待ってみませんか?
MIZZO
12.15 (Thu) 00:43
[32]
むかしむかしあるところに……
返信
もう三十年も前のことです。
わたしはまだ十代で、住んでいるところは名古屋の東のはずれ、いわゆる土地成金と呼ばれた人々のお屋敷と、新しい小さな家が混在する町でした。わたしの家は残念ながら後者でしたが、犬は放し飼い、ピアノは窓を開けっ放しで弾き放題、もう歳だからと売り払われることなくペットのように飼われている牛さんや、早起きの鶏さんもそこここにいて、のんびりと時間が過ぎていた時代のことです。
二階の自室で毎日ピアノの音を垂れ流していたわたしの所に、かすりのモンペ姿のおばあさんが訪ねていらっしゃいました。三軒くらい離れたお屋敷の奥様です。「ワタシにピアノを教えてくれんでしょうか?」って。わたしはまだ勉強中の身ですから…と、お断りしたのですが、おばあちゃんはなかなか強引で、人生経験の短いわたしでは上手く断り切れず、レッスンが始まりました。わたしの生徒第一号です。
60歳くらいでらっしゃったと思いますが、今の60代とは大違いの、しわくちゃおばあちゃんでした。若い日々を野良仕事と子育てに費やした勲章のような深い皺とゴツゴツした手。でもその手で握られるとあったかくて、ほろっとなってしまってお申し出を受けてしまったのです。
わたしは自分が通って来た道しか知りませんでしたから、他の方法があることに思いも及ばず、当然、探しもせず、バイエルと小曲集を併用するレッスンではじめることにしました。小さい音符は見にくいということなので、バイエルは紙がしっかりしていて印刷の綺麗な、ついでにイラストの素敵な音楽之友社の子供のバイエルを選びました。工夫をしたとすればそれくらいでした。
ゆっくりゆっくりでしたけど、10年目くらいにはソナチネアルバムやエリーゼに辿り着きました。コードもぼちぼちお教えしていましたら、戦前戦後の歌謡曲に伴奏をつけて弾くこともお出来になるようになりました。
おばあちゃんはご近所の放送局長さんだったらしくて、あちこちで、良いセンセイが居るって宣伝してくださって、子供の数が爆発的にふえはじめた新興住宅地ということもあり、わたしは気がついたら結構たくさんの子どもさんを預かるピアノ教室の先生になっていました。
ピアノの先生になるつもりはなかったんですけどねぇ、、こどもたちがどんどん弾けるようになっていくのが面白くて面白くて、やめられなくなってしまいました。
この10年くらいは子どもの数が激減して、かわりに大人の生徒さんがじわじわ増えています。生徒第一号のおばあちゃんのお陰で大人の生徒さんも大好きですから、楽しい日々です。
しっかし、優秀な頭脳と器用な手指をお持ちのおばあちゃんでした。ずっと長い間、おばあちゃんが弾けるようになったのは、わたしに指導力があるからだと誤解していたことが我ながらイタイですが、おばあちゃんに出会えた運命に感謝しています。
MIZZO
11.17 (Thu) 01:15
[34]
Re:むかしむかしあるところに……
せんせい、ここではお久しぶりです♪
その・・・大人の生徒のひとりです(爆)
私がピアノが好きになったのは、最初の先生(幼稚園の先生)が、きっと子供心をよく知ってらいたから・・だと思います。
なにしろ、ピアノは私の遊びの一つでしたから。。
いまも・・・。
「過ぎ去った幸福」譜読みしてみました。
なんか・・・歌謡曲っぽいです。伴奏のリズムが・・。
・・・反対ですね。
歌謡曲がメンデルスゾーンを真似てるんですね・・。
ゆっくり練習しま〜す(^^♪
まみりん
11.21 (Mon) 22:46
[35]
むかしむかしあるところに……
まみさん、いらっしゃいませ。
最初の出会いって大切ですよね。
優しくて面倒見の良いお姉さん先生だったのかなぁ。
わたしの最初の先生は、親よりもうんと年上世代で、
すんごい怖かったですよ。
あまりに怖くてお顔を全く覚えていません。
お尻が大きくてパーンとしてらしたのが強烈な記憶です。
>「過ぎ去った幸福」譜読みしてみました。
>なんか・・・歌謡曲っぽいです。伴奏のリズムが・・。
あはぁ。。ツチャーチャね。
♪花も嵐も踏み越えてぇ♪なんかの、
♪ツチャーチャツチャツチャ♪の前半のリズムですね。
わたしたちの母世代が好きそうな、昭和歌謡のかほりです。
『無言歌』は歌詞のない歌謡曲ですもんねぇ。
明治以降の日本の歌は外国のクラシックをお手本に作られたので、
昭和歌謡にもその尾を引いているようです。
ジュリーの歌みたいのもあるのよ、
にやにやクスクスしながら弾くのもまた楽し、です。
MIZZO
11.22 (Tue) 22:07
[26]
ようこそ、アラベスク掲示板へ
返信
うー。。
マルチポストを消去したら、
他のログまで消失してしまいました。
また、ぼちぼち書いてゆきます。
足跡など置いていってくださると喜びます。
MIZZO
10.15 (Sat) 19:10
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